信心深い方のお家探し〜神の家 風水の家〜
非常に有難いお話なんですが、ここ最近、重要事項説明書(重説)作成で腱鞘炎になる位、パソコンと格闘しています。重説→役所調査→重説→役所調査→重説・重説・重説・ジュウセツ・ジュウセツ・・・・・。
普段、通常の不動産取引をする日常ではありえないくらいの量です。そのうち、不動産保証協会やら東京法務局の住所をソラで打てるようになるのではないかと思っている今日この頃ですが、宅建業者の皆さんお元気ですかー?クロージング頑張ってますか?(笑)
今日は「信心深い方のお家探し」のお話です。
僕自身、あまり信心深いほうでもないですし神様やら仏様やらとは程遠い所で生きていますが、好きな人は好きですよね。別に人の信仰や宗教についてとやかく言うつもりはございませんが、不動産の購入にあたっても、この部類を引き合いに出してこられるお客様がいます。これが厄介なのです。
例えば、散々条件に合う物件を案内や紹介して、これ以上ない物件を提示し、いざクロージングの段階で、
「今年は年回りが宜しくないので、引越しはしないほうがいいと知り合いの占いの先生が言ってます。」
(まだ一月でっせ!!それやったら去年の11月頃不動産探し出す前に相談しに行けよ!!)
しかも知り合いでは無いです。向こうからすればただの客ですよ。あなた。
占い師の所に行って、
「この家を購入しようと思っているんですけどどうでしょうか?」
と相談して一回目で
「いいでしょう。買いなさい。」・・・・とは絶対ならないでしょ??なぜか?
貴方は「客」だからです。
一回でOK出しちゃったら、リピートしないじゃないですか?
だから、絶対にケチをつけますね。あれもダメこれもダメと5、6回通わせて充分にお金を落としてもらったところで、「この家は神が宿ってます。貴方の将来にとって非常に相性のいいお家です。」
とこう来るわけですよ。
おいおい・・・最初に言ってた「今年の家移りはダメ」はどこいったんですかーー?
仲介営業をしていた時代に、この手のお客様に同じような質問をしたことがあります。
中古マンション購入希望のとても信心深いお客様で、何件か条件に合う物件をご案内させて頂きましたが、何しろ占師の方と二人三脚ですので、色々な注文がついて中々決まらなかったのです。
ある日、ふとしたタイミングで奥様が非常に気に入る物件が売り出され、話がトントン拍子に進み、購入申し込みをする段階に。ただ一つ僕の頭の中で引っかかっている事がありましたので、お客様に質問してみました。
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今年は南西の方角のお引越しはダメだとおっしゃってましたが、今回ご購入されようとしているマンションはその方角ですが大丈夫ですか?
念のためにですよ?重説やら契約書やら散々用意した挙句、契約前日にキャンセルなんかくらったらたまったもんじゃないので一応念のために押さえておこうと聞いたら、
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大阪・堺市の三国ヶ丘に方違神社という神社がありまして、そこでご祈祷してもらうと方角は大丈夫らしいですよ。だから契約致します。
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・・・・よかったです。おめでとうございます。
もうね。この言葉を出すのが精一杯でしたよ。。。
なんやねん!その「大富豪」のジョーカーみたいなカードは!!?そんなん有りやったら何でもありですやん!
それやったら占師とやらは最初に「物件探す上で、家移りの方向が悪い物件も出てきますが、ご安心ください。大阪府の堺市に方違神社という神社がありまして、そこでご祈祷して頂くと大丈夫ですから。」
と説明しとけよ!!最後にどや顔でそんな、ジョーカー出されてもねぇ。。。
無事、購入してもらいましたが苦笑いです(笑)
でもね。不動産営業で熟れてくると、先回りして営業マンがトークで言ってしまうことがあるんです。
「方角は○○な理由で大丈夫ですよ。回避方法があります。」
とか
「水廻りが鬼門に少し引っ掛かってるようですが、ある人の考え方だと○○すれば逆にいい方向に向かうとの事です」
これ絶対ダメですよ。営業さん。
お客様は占師やお坊さんしか信用していません。いわば神様のお言葉なのです。これに応酬トークをかますということは神への冒涜です(笑)。こんなことが、神の耳に入ったらどうなると思います?全力で潰されますよ!
「今、相談してる不動産会社のイメージカラーは貴方のオーラとは逆の色です。違う不動産会社に相談されることをお勧めします。」
この大鉈を振られて、ご臨終です(笑)気を付けてくださいね^^
この他にも
- 水廻りが鬼門にある。
- 北向きの玄関はダメ。
- 土地の気をしっかりしていないベタ基礎はダメ。
- 家の真ん中には白虎様がいらっしゃるので風通しを#$%$“%(&・・・
不動産営業をしてると、興味は無くても自然に知識は増えていくのでだいたい次に出てくるのは予想つくんですけどね。。。玄武か?朱雀か?何でもかかってきてくださいよ(泣)正直こういうお客様は疲れます。疲れるし、しかもかなりの確率で購入しないです。
不動産営業って面白いですよね。いろんなお客様がいらっしゃいます。
でも、何かにすがったり、頼ったりするのはやはり不動産というものが普段目にする事のないような高額で、しかも、一生を左右する買い物だからです。お客様皆さん不安なのです。平たく言うと話がトントン拍子に前に進むと「びびって」しまうのです。その「びびっている」ことを隠すための神のお言葉だとおもって、暖かく見守っていきたいと思います。これを読んで頂いてる営業の方も占師よりも貴方を頼ってくるようなスーパー営業マンになってくれることを切に祈ってます。
さあ、今年もあとわずかです。今年を無事に乗り切り、平成28年は今年より良い成績を上げれるように、初詣で大いに参拝しご祈祷してもらって、いいスタートダッシュをきりましょう!!
PS.大手不動産業者のお友達が是非、俺もブログで言いたいことがあると言ってきたので、「そしたら、原稿書いてー」って頼んだんですけどそいつから一向に原稿が上がってきません。
できれば次回「大手不動産業者の話」を掲載したいと思います。間に合えば(笑)