吉本批判は現代社会の縮図である。
梅雨が明けたと思ったら、一気に真夏に突入しましたね。急激な温度変化に熱中症など、皆様のご体調はいかがでしょうか?
世間は参議院選が終わってもまだ吉本興業のニュースはまだやっておりますね。
元々は芸人が直営業に行って、報酬をもらい、その貰った相手が反社会的勢力のグループであった事と、その報酬を貰ったことを芸人が貰っていないと言う虚偽の報告を会社に対して行った事、参加したメンバーが反社会的勢力だと事前に認識していたかどうかという事が問題であったと思いますが、芸人が会社に無断で記者会見を行い、吉本興業代表取締役社長が記者会見で的を得ない質疑応答を行ったことで、マスコミがここぞとばかり吉本興業VS所属芸人という劇場型の報道に火が付いておりますね。
個人的にはどうにも関心がもてない内容なんですが、世間の反応が非常に興味深いんです。
「パワハラ問題」「ギャランティー問題」「働き方問題」「契約書問題」などの問題を世間の人々は非常に過敏に反応しているようです。
なぜ、ここまで世間が興味を持って過剰反応しているのかを考えてみると、あれなんですよね。
「自分と自分が働いている会社」との関係性や問題点を「芸人と吉本興業」に投影し、置き換えて、まるで自分=弱者の意見を芸人が代弁してくれているかのような視点でテレビを見ているからなんでしょうね。
元々は違う問題で芸人が責められるべきところが、本質を逸脱して組織対労働者に移行して、問題を起こした芸人擁護になぜかシフトしていくという、非常に奇妙な光景になっております。
そもそも、世間は反社勢力と芸人の闇営業問題なんて本当はどうでもよく、それよりも親近感を感じる組織対労働者をどう論じるかの方がよっぽど共感できるのでしょう。
このように共感を得るのは日本人の気持ちが資本主義・民主主義の世の中に将来に光を見出すことが出来ずに、共産主義・社会主義の理想主義社会に気持ちが傾倒しているということなんでしょう。
これこそ蟹工船の「労働者可哀そう。労働搾取だ。」という現代版プロレタリア思想の典型的な動きだと危惧しております。
僕はこのように日本人の思想が、赤化していくのは大反対です。資本主義でここまでの先進国に作り上げ、平和が当たり前になった世の中で、ただの平和ボケの思想だくらい思っていますよ。
平和を維持するにはお金がかかる
平和ってただで手に入るものでは無いんですよ。国も個人も平和を維持するにはお金がかかるんです。
それを維持するために一生懸命働いて、次世代にバトンを渡していくんです。こんな当たり前のことすら解らなくなる位、平和ボケしてしまったんでしょうか?日本は。
後、芸人が契約書があるか無いかとか、今後きっちりとした契約をするとか言ってますけど、若い何も知らない芸人さん。解ってるんですか?
上の人が言っている契約って「労使契約」ではないんですよ。「マネージメント契約」なんですよ。
しっかりそこをやるという事は会社にも「来年は貴方と契約しません」という権利を与えるという事なんですからね。そこそこ食べていけている芸人さんならともかく、満足なギャランティーが稼げていない芸人さんは、その「シビアな現実」も同時に突き付けられるという事も覚悟していないととんでもないことになりますよ。
「来年は貴方と契約しないので、吉本興業のどこの舞台にも出る権利はございません。宜しくお願いします。以後、自由契約ですので、どこぞの事務所とでも契約して下さい」と言われたら、どこか拾ってくれますか?
会社が設備投資や土台作りをしてくれているという「平和」の上にただで立たせてもらってるだけでも有難い事なのに、不満を言い、被害者面するというね。経営者にすれば理解に苦しみます。
この構造こそ平和ボケの現代社会の縮図だなあと思う今日この頃です。